アロハシャツすべてハンドメイドの一点モノです。

毎年夏が近づくと気になり出すのがアロハシャツ。カラフルな色合いと優しい着心地、ゆったりしたいオフの日に南国気分を満喫するのにはピッタリな装いだ。しかし、店頭に売られているものは「どれも派手すぎてどうも手が出ない」という貴方に是非ご紹介したいアロハがある。派手派手も悪くはないけれど、大人だったらシックにさりげなくが基本。目立ちすぎず、かつしっかり自己主張できる、大阪市北区中崎町にある「楽の虫」の一着である。

「楽の虫」とはお気楽なネーミングだが同店の作るアロハはこだわりの塊。素材を着物の生地としシルクの滑るような肌触りと質感、着物独特の繊細かつ大胆な図案をも取り入れ100パーセントオリジナルなシャツの芸術品を生み出している。

着物とアロハという異色のコラボレーションの歴史は、同店オーナーの宮久保忠広さんが８年前同地にギャラリーを開設した頃にさかのぼる。６年前に自分が好きだったアロハを着物で作ることを思いつき、試行錯誤を重ねた結果現在の商品が完成、同時期にお店もオープンさせた。

「着心地と染め職人の技術の集大成がこのシャツの最大の魅力なんです」と目を細める宮久保さん。さりげなくハンガーに吊るされたシャツはどれも心がこもった手作りで、１着仕上げるのに２週間という長い時間を要する文字通りのハンドメイド。その工程は着物を丁寧に切り取り、丹念に洗浄した後柄合わせし縫製する念の入れよう。入念な仕上がりと独特な風合いに「楽の虫」のアロハを求めて全国からわざわざ大阪までシャツを買い求めに来るお客さんや、芸能界で活躍する著名人にも愛好者が多いという。

同店では箪笥（たんす）に眠っている古い着物や形見の品を材料にアロハシャツをオーダーすることもОＫ。これだけ手が込んでいると価格もさぞや高かろうと思ってしまうが、「できるだけ安く多くの人に着てもらいたい」というオーナー宮久保さんのこだわりが感じられる１着19,000円〜という良心的な設定がありがたい。貴方も今夏を、人とは違った最高のアロハで過ごしてみてはいかがだろうか。