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特集> 男前の条件 > 有名人が語る男前の条件vol.19:秋元才加
映画、舞台、ミュージカルと多方面で精力的に活躍している女優・秋元才加。
彼女が今回主演を務めるのは、10周年を迎えた「牙狼<GARO>」シリーズから独立し、新たな世界観を創出する最新作・劇場版『媚空−ビクウ−』。
秋元才加の肉体美と身体能力を存分に活かしたアクションシーン、斬新な映像表現などの作品の見所や、同性からも男前と称される彼女が考える「男前の条件」について語ってもらった。
今回の作品劇場版『媚空−ビクウ−』について
編集: 今回TV版「牙狼−魔戒ノ花−」を経て「媚空」が主人公として劇場版となりましたが、作品の魅力や見所を教えてください。

秋元: やはり圧倒的な映像美ですね。例えば衣装なども見えないところまでこだわっていて、本物のシルバーや宝石が使われているなど、随所に雨宮監督の美的センスが加わっているので、見ていて鮮やかですごく楽しめると思います。こういった映像美は、特撮ファン以外の方でも楽しめるのではないでしょうか。
また、ストーリーも斬新で、牙狼ならではの世界観が魅力です。受け取り方次第で見ている方が無限大に想像できる作品となっているので、その世界観に引き込まれてしまうと思います。

編集: 劇場版『媚空−ビクウ−』で注目して欲しいポイントはどこですか?

秋元才加

秋元: 媚空は今まで孤高の存在で、ドラマシリーズではほとんど笑わない、敵か味方かわからないキャラクターでした。
なので、冷徹なイメージがすごくあったのですが、今回のこの媚空の映画では、少し心が揺れ動いたり弱い部分が見えたり、いろんな経験を経て媚空なりの強さや優しさを身につけていく姿を見ていただけると思います。
私自身も媚空を演じていて、本当の強さってなんだろう、優しさってどういうことなんだろうっていうのを改めて考えさせられましたね。
映画の中で、「白か黒か、人間の心はそんなに単純じゃない」というセリフがあるんですけど、牙狼の世界ってすごく現実世界とかけ離れていて共感できる部分を探すのが難しいと思うかもしれませんが、生きていて、白黒で判別できないグレーな部分ってたくさんあるし、そんな中でいろんなことを自分で決断していくという点では、今回の劇場版『媚空−ビクウ−』は観たあとで考えさせられるメッセージ性のある映画になっているのではないかなと思います。

媚空と自分はストイックな部分が似ている
編集: 「牙狼」シリーズは10周年を迎える大作ということで、牙狼ファミリーや牙狼ファンの存在というのはかなり大きかったと思うのですが、キャストとして最初に話をいただいた際の心境を教えていただければなと思います。

秋元: 最初は「牙狼−魔戒ノ花−」のドラマシリーズに出演させていただいたんですけど、そんなに登場回数は多いわけではなかったのに、また雨宮監督がチャンスを与えてくださったということで素直に嬉しかったですね。
それから体を動かすのが好きだったので、最大限に秋元才加としての魅力を引き出してもらえるだろうなっていうワクワクはありました。
ですが、牙狼が好きな方や特撮の好きな方ってすごく厳しい眼をお持ちの方がたくさんいらっしゃるじゃないですか。なので、そんなファンの方々に受け入れてもらえるのかなという不安も少しありました。けれど一生懸命取り組めば、それも伝わるんじゃないかなと思いながら撮影に臨んでいました。

秋元才加
編集: 演じられた媚空というキャラクターとご自身の共通点などは何かありましたか。

秋元: 媚空ほどストイックではないですけど、いろいろ突き詰めて、知ったり学んだりしていくところは似ているのかなと思います。
私自身けっこう強くて凛としているような印象が強いと思うんですが、さらに牙狼で媚空のイメージが自分の想像以上に周囲に広まっていて、より言われる機会が増えたので、牙狼ってすごく愛されているんだなと思いました。ホントは普段けっこうぼんやりしてるんだけどなっていう戸惑いもありますけど(笑)
顔がすごくアクションに向いている顔なんだろうなっていうのはアクションをする前から周りの人に言われていたので、おかげで媚空を含め、新しい自分が生きる道を見つけられたのかなと思っています。

撮影での苦労や役作り
秋元才加

編集: かなり激しいアクションをされていましたが、今回何か特別に準備したりトレーニングされたりしたことはありますか?

秋元: 監督からこの話を頂いた時に、「秋元の肉体が撮りたい」って言われたんです。
ハリウッドって結構女性もアクションすることが多いと思うんですけど、日本ではアクションを女性がやっている作品が少ないじゃないですか。
なので、やった!と思ってこの機会に自分のできる限り体を作って臨もうと思い、1ヶ月程週3でジムに通ってトレーニングしていました。男性が驚くくらいの肉体を作りたいって思ったんです。金子賢さんのブログとかも読んで、食事やトレーニング方法などを参考に生活を送っていました。
普段は筋肉がすぐついてしまうので、逆につかないようにしてるんです。今回のようなアクションやっている時はいいんですけど、次に女性らしい役だったりすると邪魔になってしまうので。今は何もしない時期です(笑)
でも役によって生活が変わっていくっていうのは楽しいです。趣味みたいな感じで楽しみながらやっています。
それから、雨宮監督から媚空は「最強の魔戒法師」だと言われていたので、アクションシーンも多いですが、立って話をしていたり、止まっていたりといった『静』の部分を大事にしようと思いました。
元々合気道をやっていたんですが、師匠が「ほんとに強い人は頭を動かさないで歩く、重心を変えないで歩く」と言っていたことなどを思い出しながらなるべくブレがないように動くように心がけていました。

編集: 迫力あるCGシーンが見所ですが、逆にCGだからこその苦労はありましたか?

秋元: CG特有なんですけど合成されるまで確認のしようがないじゃないですか。絵コンテのようなものに、「ここでぶつかる」「ここで跳ね返る」っていう風に書かれているんですけど、それを見ながらあとはCGをつくる方とどのくらいのものが襲ってくるかなどを逐一聞いて、その加減でリアクションなど変えていました。ですが、最強の媚空が痛みを表に出すということは相当痛いことが起こっていることになるので、その表現はなかなか難しかったですね。
なので試写を見たときに「こうなってたんだ」ってホッとしました。

女優としてようやく芽が出てきた
秋元才加
編集: 映画というお仕事はご自身の中でどんな位置づけですか

秋元: AKBグループに在籍していた時から様々なことをやらせてもらっていたので、「映画だから」というのはなくて、昔みたいに舞台に立って踊って歌うという表現方法が少し変わっただけという感じです。
「アクション大変じゃなかったですか?」とか「辛くなかったですか?」とか言われるんですけど、グループ時代にやっていた「ネ申テレビ」の企画の方がよっぽど大変だったので、何も辛くなかったですね(笑)。 改めてありがたいなと思っています。
でもこうしてグループ時代にセンターでバーンって注目を浴びることは、そこまで多くなかったので、卒業してこうして主役としてパンフレットに載って、名前も一番に出てるっていうのは、素直に嬉しいです。こういうことがグループに対しても恩返しになるんじゃないかなと今は思っています。
今は卒業してから3年目になるんですけど、やっと今まで撒いてきた種がちょっとずつ芽を出してきたというか、女優としての仕事が多くなってきたので今後も精力的にいただいたお仕事は一生懸命やらせていただきたいなと思っています。
こういった取材の中で、やってみたい役などをお話してきたことが少しずつ叶ってきているので、次は原点回帰ではないですが、銃を持って、ぶっぱなしたりするような泥臭い、タンクトップが一番似合う女みたいなのをやりたいですね。

秋元才加の考える男前像とは
編集: 最後に秋元さんの考える男前とは?

秋元: 女性やまわりへの気遣いができる人っていうのはもちろんなんですけど、最近男性で男前だなって思うのは「余計なことを言わない人」ですね。ここぞという時に黙っている人ってかっこいいなって思いました。
あの時負けたからどうこうとか、べらべらしゃべるとどんどんポイントが下がっていくなと。言い訳がましくなく、武士に二言はないというようなぐっと堪えて我慢してる人が男前なんじゃないかなと思います。


秋元才加
劇場版『媚空−ビクウ−』

-STORY-
闇斬師として闇に堕ちた魔戒騎士や魔戒法師を討伐する媚空のもとに、元老院付の法師・代知から、“魔戒法師のウサミが闇に堕ちているかどうか確かめよ”という指令を受け取る。
媚空は入心の術を用いてウサミの心の中=精神世界へと突入する。
しかしそこには、媚空の想像とは違った状況が発生していた。
ウサミの精神世界に異状を感じた媚空は、その真相を確かめるべく、師匠である白海法師を訪ねる。
だがこれが、深く暗い闇への入口であることを媚空はまだ知らなかった…。


11/14(土)〜 梅田ブルク7、T・ジョイ京都、109シネマズHAT神戸ほか
原作・総監督:雨宮慶太
監督・アクション監督:大橋明
出演:秋元才加 須賀健太 朝倉えりか 伊藤かずえ / ミッキー・カーチス 佐野史郎
配給:東北新社
2015年/日本/カラー/78分 ©2015「媚空」雨宮慶太/東北新社
公式サイト:https://garo-project.jp/BIKUU/
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