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原作を読む読まない?
2009-06-25
「群青」という映画が6/27(土)に全国一斉に公開される。
沖縄県・渡名喜島で昨年の今頃、40日をかけて撮影されたらしい。
ヒロイン・涼子には長●まさみ、父親・龍二に佐々木蔵●介、涼子の幼馴染、大介に福●誠治、一也に良●真次という面々。
中川●介監督が長年構想を温めてきて、それを宮木あ●子さんが小説化したものが映像となったものだ。
簡単にストーリーを書くとこんな感じだ。
まるで兄弟のように育った、涼子、一也、大介。
やがて大人になり、涼子は地元の島に残りウミンチュの一也と結婚を決意する。
一方、ずっと涼子に心を寄せていた大介は、二人の仲を知り那覇の芸術大学へ進学してしまった。
二人の結婚を許さない涼子の父。
そんな涼子の父を見返そうと、島に言い伝わる幻の赤さんご≠海深く潜って採りに行った一也。
…そのまま帰らぬ人となってしまう。
それをきっかけに、まるで廃人のように、重い心の病気にかかってしまった涼子。
一也の死後一年が経ち、大介は那覇から戻ってくる。
そして固く心を閉ざした涼子、いまだ愛して止まない涼子を献身的に世話をし…… そして意外な結末。
まず僕は原作であるこの小説をすでに読んでいた。
小説は最初に涼子の父親・龍二と涼子の母である由紀子とのエピソードから始まり、由紀子の病死の後、少年時代の3人〜高校・大学生時代の3人を描く構成になっている。
一也が龍二に「涼子と結婚させて欲しい」と頼み、そのまま赤さんご≠採りに行って死んでしまうのが19歳の時のこと。
この映画の前評判はどうだったのか……
昨年、制作発表があった頃は
「長●まさみが初濡れ場!! 官能的な映像に女優魂をかける!!!」
という文字が大きく踊っていた。
…なるほど。
たしかに原作である小説の中には、そんなシーンがたくさん出てくる。
高校生のとき、浜辺で一也と……
一也が死んだ後に廃人となり、島に工事にやってきていた男たちと、夜な夜な自分の部屋で……
そんな際どいシーンを、今が旬!の女優が演じる!!!! と、当時は結構騒がれたものだった。
また、一也の死という事実を境に、彼女は一旦精神病院に入院。
その後、1年以上は昼間は一歩も家から出ず、夜になると浜辺でポツリ海を見ている……という、痛々しい状態に陥ってしまうのだが、そういった精神的な病≠、彼女がどのように演じるのかも、注目されていた。
実際に僕も、そういった部分を含めての作品≠セと思っていたので、映画本編の中での激しく印象的なシーンになるのでは?
と、期待をしていた。
先日、関西某所で開かれた試写会に行ってきた。
もう………唖然とした。
釈然としない憤りのようなものさえ感じた。
これ……あの小説の内容をただ単に抑揚無く、表面だけをナゾっているだけじゃん!!!! って。
官能的なシーン(キスシーンさえも)など皆無!!!
恋人の死の現場に立ち会っても、狂乱もしない。
その後は呆然とした状態でいるだけ………
大介の、涼子のことを好きな気持ちを露にできないよいうどうしようもない心理描写も、龍二の娘に対する罪悪感(和也が死んだのは、自分が結婚を反対したことが原因だと思っている)も、そして重要なラストシーンも……
なにもかも、ポワ〜〜ンと綿雲の中に包まれたような描かれ方で、何ひとつ、誰一人に対しても感情移入することができなかった。
いいのか………ニッポンの映画界。
女優の事務所の圧力なのかなんなのかは知らないけど、そういったもの、そういった人間の真の姿≠映してこそ芸術∞映画≠ニ言えるのではないだろうか?
その中に官能的な描写≠竍半狂乱で暴れまくるような描写≠ェあればあるほど人間としてリアルであって、もっと激しい感情や切なさを表現できるのではないだろうか……
生意気を言うようだが、それをこんなに強く感じた映画は初めてだった。
「じゃぁ、原作読まなきゃいいじゃん……。」
そこで今回のタイトルに行き着くのだが、たしかにそういわれればそうである。
しかし僕は完璧に「原作を読む派」なのだ。
原作を読み、
「ん?ここのところはどう描かれるんだろ?」
とか、
「このシーンが映像化された場合の役者さんの表情、心理を早く観て感じてみたい……。」
とか、そう思うのだ。
それをすべて融合させて、ひとつの作品≠セと思うからだ。
今回のこの映画は、期待値が果てしなく大きかった為、逆に受けたショックもデカかった。
「シナリオ通りに生きれれば苦労はしないわよ。」
関西から戻った翌日の夜、二丁目で飲んでいてママにそう言われた。
「うん。たしかにね。でも、人の人生、とくに運命≠竄辯宿命≠ニいったものは、あらかじめ用意されたシナリオの上に成り立っていると思うんだよねぇ……。」
…僕はそう思っている。
男が男を愛する。
この街には多くのそんな男たちが集まってくる。
それぞれ、キッカケは違っているが、同性に恋をし、体を求めることには違いは無い。
もし人間に原作本≠ネるものが存在するならば、それは現実よりももっとえげつなく、もっと過激で、もっと悲惨なものが書き記されているかもしれない。
先天的に生まれたときから男を愛するように書かれている原作本。
大学の体育会の合宿所で、初めて先輩に男の味≠知らされ、以降夢中になってしまうように書かれている原作本。
結婚し子供ももうけ、40歳前にふと酔っ払った勢いで入ってしまったゲイバーで男を知ってしまうように書かれた原作本。
きっと、誰にもそんな原作・シナリオってある気がする。
それは運命≠ニいうひとつの骨格で構成されていて、そこから脱しようとするとおかしくなってしまう。
そんなシナリオが………。
うん。
やはり今後も映画を見る前には原作≠読むことにしよう。
今回のようにどんなに裏切られたとしても、原作を読んでいなければ分からないことも多々あるし。
■ 原作を読む読まない?
SEIJI (29) 男性
職業
デザイナー
結婚
ありえね。
出身
神奈川
趣味
イケメン☆ウォッチング
冷静かつ冷酷なAB型。何を言われても動じない図々しさ。いつも一番を目指している年甲斐も無いオバカ。1言われたら100にして言い返さないと気がすまない負けず嫌い。それでもデザイン活動や文章を書き始めたら、ひたすら家に篭って集中すること三日三晩ってこともざらです。
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