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作家談義13「氷室冴子」
2008-07-03
先月、51歳という若さで逝去された僕たちの青春時代の旗手とも言える女流作家で、その名前は多くの人に刻まれているだろう。特に30〜40歳ぐらいの女性であれば小中学生の思春期を通じて一度は手にした小説やコミックも多いのではないだろうか。そんな、コバルト文庫に読みふける女子生徒たちを男子生徒たちは遠目で眺めていたものである。
80年代から90年代にかけてのライトノベルの隆盛と少女小説ブームは間違いなく氷室冴子の功績が大きいといっても過言ではない。代表作は『なんて素敵にジャパネスク』で、小説だけでなく漫画・ドラマ化もされている。他にも漫画家や舞台化された作品多数あり、アニメ情報誌『アニメージュ』で連載していた『海がきこえる』はスタジオ・ジブリでアニメ化もされた作品である。
残念ながら、彼女の作品を僕は多くを知らない。先ほど述べた作品ぐらいだけである。なかなか思春期の頃に、女性向けの小説を手にすることは人目がはばかれて難しかったためだろうか。しかし、今回の彼女の訃報を期に、その作品を手にしてみた。時間はかかるかも知れないが、少しずつ読んでみようと思う。そこには、ひょとすると中学時代の淡い記憶と思い出が詰まっているかも知れない。そんな期待を胸に秘めながら。
彼女はその作品だけでなく、女性作家としての一つのスタイルを社会に向けて、そして多くの若者たちに示してくれた作家ではないだろうか。時代はバブル期。小説家を目指す多くの若者たちが、学校や家で自流小説を書き、そんな若者たちを先導するかの如く出版社は若者向けの文学賞を乱立させた時期である。そこには、思春期特有の憧れや社会への葛藤、未成熟な精神、家族の問題など当時の若者たちが抱えていた様々な想念を内包していたのだ。
その一つの結晶が彼女のような小説群を生み出させたのかも知れない。悲しくもあり儚くもあるのだが、バブル崩壊後にはそう言った作家スタイルも泡と消えた。出版社は経営不振に陥り、若者向けの賞を縮小廃止し、作家がビジネススタイルとして成り立たなくなっていった。
時代の寵児でもあった、彼女もバブル崩壊後の1990年以降は目立った執筆活動も無くなっていた。そんな彼女の作品は、今現在、バブル時代に思春期にあった若者たちにノスタルジックとセンチメンタルな気持ちを抱かされる作品であるのかもしれない。
「へえ。よほど好きなのね、リカちゃんが」
津村知沙の言い方はとても露骨だった。つまり意地が悪くて、攻撃的だった。ぼくはとっさに何かを言おうとして口をあけて、でも、すぐに出てくる言葉がなかった。
「そういうことを、他人にあれこれ、いわれたくないですよ」 (海がきこえるUより)
■ 作家談義13「氷室冴子」
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【コラム】 読書三昧
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企画営業
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滋賀県
趣味
好奇心旺盛なんでもかんでも
大学進学と同時に一人暮らしを初めて早10数年。かつての夢を追って、30代の目標は小説を書くこと。ひそかに高校国語科の教員免許もってたりします。最近は、もっぱら漫画とミステリーしか読めない身体になっているので、これを機にリハビリ始めました!!
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