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漫画に学ぶ男前 vol.47【プラネテス:星野 八郎太】

第47回目となる今回は、宇宙開発によって生まれたスペースデブリ(宇宙ごみ)回収業者を主役とした『プラネテス』
の主人公、星野八郎太こと「ハチマキ」から男前を学んでいきたいと思います。




【あらすじ】

今から少し未来、人類は資源を求めて宇宙開発を行っていた。


月や宇宙ステーションには沢山の人間が暮らし、火星でさえも居住が可能であるほど技術は発達し、多くの人が宇宙で仕事をして宇宙で生活をしています。


主人公、「ハチマキ」こと星野八郎太も宇宙で働く人間の1人。


スペースデブリと呼ばれる、宇宙空間を漂うゴミの回収作業を生業としています。


宇宙の掃除屋「デブリ屋」として宇宙で暮らす彼らの生活、それぞれの生きる目的が主題として描かれています。


この世に宇宙の一部じゃないものなんてないのか。

○オトコマエポイント

ハチマキはいつもギスギスしていて他人を拒絶していました。


人生を生命を謳歌するためには孤独ですら自分にはまるで効かない、それが自分の宇宙であると思っています。


しかしある時、海に飛び込んで1人でいると、そんなことは間違いだと気付く。


人生や生命というものは全てのものが密接に関わり続ける、どんなに自分の宇宙を小さくしても宇宙の一部となり続ける。

自分たちは、つながりを断とうとしても断つことはできない。


みんな同じ宇宙の中にいるのだから。


それからハチマキは他者と積極的に交流を取るようになり、迷うことはなくなりました。


自らを知り、世界を知る、そうすることで一歩づつ前に進むハチマキの「オトコマエさ」を描いた名シーンです。


クソッタレな今日を生きていけるのは!

明日に期待するからだろ!?

○オトコマエポイント

このセリフが出て来る場面は「家にあったビールをオヤジに全部飲まれてキレてる」と、そこだけみれば最高にカッコ悪いんですが、「星野八郎太」という人間がひと目で分かるようなシーンです。


命がけでも明日は今日よりも前に進んでやる、そうすれば出来ないことなんて何一つ無いんだ、といつだって前向きなハチマキに周囲の人間が惹きつけられて行きます。


嫌なことがあっても、むしろそれに対する怒りを原動力にして更に進んでやる!という「オトコマエ」な生き方です。


愛し合うことだけはどうしてもやめられない。

○オトコマエポイント

「宇宙船があればどこへだって行ける。本当の、本当の自由だ。

でもスッゲー頑張んないと宇宙船なんか手に入らない。

マジにならないとダメなんだ。

だからオレはそれ以外のことはいっさいしないと決めた。

それ以外のことを考えるのもやめようと思った。

でも、でも愛し合うことだけがどうしてもやめられない……、愛し合うことだけはどうしてもやめられないんだ。」


デブリ屋から木星往還船の一員となったハチマキが、木星に降り立って地球に送ったメッセージ。


「プラネテス」という作品を凝縮したようなセリフです。


最初は宇宙だけを求めて生き、怒りも悲しみも喜びも全部俺だけのもんだ、他人なんかに渡さない!

と息巻いていたハチマキ。


しかし、次第に他者と交流する喜び、楽しみを知り、人を愛するようになります。


悩み、生きること、愛することの意味を見出していくハチマキの姿はまさしく「オトコマエ」と言えるでしょう。


まとめ
いかがでしたでしょうか。


人は一人では生きて行けず、誰かと関係を持ち、そして愛を得る…。


そんな人間のあり方が描かれた「プラネテス」は、読めばきっと自分の行き方について考えさせてくれます。


ちなみに僕の一番好きなシーンは、宇宙船のエンジン開発時に被害総額2兆ドル、死者324人という大事故が発生してしまい、記者会見で「今回の責任をどのように取られるつもりで?」という質問に対して「次は失敗しません、ご期待下さい」と平然と答えるシーンです。


始めてみた瞬間思わず「スゲェ…」と漏らしてしまいました。


作者の幸村誠先生が現在連載している「ヴィンランド・サガ」でも、愛することと殺戮という相反する行動を内包する人間の矛盾を捉え、2人の登場人物がそれぞれ「愛とは何か」について、異なる道を模索する姿が描かれています。


中世前半の北欧ヴァイキングを描いた歴史モノなので、興味のある方は是非こちらも読んでみてください。




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