インライフ

人生の悩みに答える哲学入門書

人生が変わる哲学の教室
 「自分は何のために生きているのか」‥言葉にすると大げさになりがちだが、誰でも一度は「自分が生きている意味」を考えたことがあるはずだ。

生きていく意味を説く書籍や、前向きな気持ちにさせる自己啓発本、最近では頑張らない生き方を推奨する本も多い。

それらの根本となる考え方の多くが、有名な哲学者たちによって語られていたことだったのだと、この本を読んで気づかされる。

この本は、プラトンやマルクス、ニーチェなど、哲学に詳しくなくても聞いたことがあるほどの歴史上の有名な哲学者13名が、現代に来て講義をするなら‥という設定で文章が展開されている。

うつ病の人が増えていたり、子どもに対する虐待が増えていたり、100年に1度と言われる経済不安を招いていたり、仕事にやりがいを見つけられなかったり、結婚を選択しない人が増えていたり‥今の時代を象徴する問題や悩みに対して、彼らが講義スタイルで分かりやすく持論を展開する。もちろん、今の時代に合わせた彼らの思想は、若干脚色はされているが、歴史上の有名な哲学者各々の特徴と考え方を学ぶための入門書としては十分な役割を果たしている。

一冊で13名+著者による14時間の講義であるから、ひとつのテーマに関する内容は決して深くはなく、それぞれの悩みを抱える生徒たちとの議論も、いまいち活かされていない感がある。それでも自分の中で明確な回答が導き出されるものもあったり、やっぱりよく分からなかったり。「そうだろうか?」と異論を唱えたくなり、どんどん考え込んでしまう講義もある。

でも、それこそが哲学なのだと著者は語る。考えるプロセスを体験することで頭を使い、その結果得た答えには納得がいくし、別の新たな問題が起こったときに応用することもできる。

哲学=難しい、とアレルギーがある人は、比較的分かりやすい1章完結なので、「幸せ」についてのアランの授業や、「人生」についてのニーチェの授業から読んでみるのもいい。

生徒役に映画に詳しいサラリーマンが、各テーマにまつわる映画を紹介してくれているので、映画紹介本として読んでみるのもいい。


とりあえず、何かに触れてみると、自分なりの考えが浮かぶはずだ。

自分に合った仕事を探すことも、日々の生活に楽しみを見出せなくなったのは何故なのか考えることも、好きな人のために何かしてあげたいと思うことも、結局は、自分がどう生きていくのかを選択していることに過ぎないのかもしれない。

そのために考え、最良の方法を選んで、その考えに責任を持って前に進んでいく。

その繰り返しが、きっと人生を充実したものにしてくれるに違いない。

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